【コラム】フォニックスってなに?学習方法は?

※この記事では便宜上、英語の発音は半角カタカナで、カタカナ英語の発音は全角カタカナで表記します。英語の音は本来カタカナでは表現できないので…、やむなく半角カタカナで対応します※

目次

フォニックスとは

日本語の読み書きを学ぶとき、あいうえお…と五十音から学ぶように、英語圏でも6歳前後からa(ア)、b(ブ)、c(ク)文字の音を学びます。

例えば、appleという単語を見てみましょう。エーピーピーエルイーとは読まないですよね。ローマ字のようにアプレとも読みません。「ppって2個あるけど、ププにはならない」「単語の最後のeは発音しない」など、英単語には英単語を読むルールがあります。

このように、文字の音、綴りと音の規則性(ルール)、それを学ぶことを“フォニックス”といいます。フォニックスを学ぶと、英単語の7割くらいを初見でも発音し、読むことが出来るといわれています。

 

なぜフォニックスを学ぶといいの?

いろんな良い点があると思いますが、私がおすすめするポイントのひとつに、発音を向上させ、単語を読む勘を育てられることがあります。

日本人の英語苦手意識の原因の一つに、発音コンプレックスがありますよね。

日本語のほとんどは、子音と母音をセットにして発音します。たとえば桜を sa/ku/ra というように、ローマ字で書いてみると一目瞭然ですね。s(子音)とa(母音)がセットになって「さ」と発音します。

それに対し英語は、子音のみの発音がとっても多いです。deskはデスク de/su/ku とは発音しません。sとkはそれぞれスでもクでもなく、“s”、“k”という音なのです。カタカナでは書けません。カタカナにはない音だからです。

こういった日本語にはない音をひとつひとつ学べるのが、フォニックスのよいところです。発音コンプレックスがある日本人が、フォニックスを学ぶと発音がよくなると言われる所以はここにあります。

そのため、フォニックス=発音を学ぶ、と思われている方もよくいらっしゃいますが、フォニックスは発音を学ぶだけでなく、綴りの規則性を学ぶことも含まれています。

例えば、「makeはなぜマケじゃなくてメイクと読むの?」とか、「circleはサークルというけれど、アーに該当する綴りがないのに何故アーの音がはいるの??最初のcはなぜクじゃないの??」といった疑問にも、フォニックスを学ぶと答えられるようになります。

このように、文字の音を学び綴りのルールを知ることで、初めてみた単語でも、推測して発音出来るようになるのです。

 

フォニックスを学ぶデメリットもある?

一概にデメリット…と言い切ることは出来ませんが、小さい子がフォニックスから学ぶと、ルールに当てはまらない例外の単語を読むときに混乱する可能性もあります。

たとえば、heはヘではないですし、sheもシェーではありません。

幼児期からフォニックスを学ぶ必要はない、そもそもフォニックスを学ばなくても絵本をたくさん読むことで、発音も発音の勘も身に着けられる、という考え方もあります。

私個人的には、学ぶ子の置かれている環境によると思います。フォニックスから学んだほうが絵本を読めるようになる子もいるし、絵本をたくさん読むことで英単語のルールを感じ取る子もいます。

大事なのは、その子に合っているか、その子が学びたいことに繋がっているかを見極め、見守る大人の心意気だと思います。

どんな学習方法があるの?

私たち大人世代が子どもの頃にはなかったフォニックス教材が、今はいろいろたくさん出ていますね。

どの教材を使うかは教える大人の好みでよいと思いますが、ひとつだけ絶対にNGな教材があります。それは、カタカナ表記しているもの。

A(ア)、N(ン)、T(ットゥ)みたいに書いているものは避けましょう。Aはアではないし、Nもンじゃないし、Tはットゥなんかでは絶対にありません。

そういう意味では、教材云々よりも、指導者がきちんとした音を発せられるかどうかが最も大事!と言えるかもしれないですね。

では以下に、主要な学習方法ーアナリティックフォニックスとシンセティックフォニックスーを簡単に紹介します。

アナリティックフォニックス

abcアブクからzズまでの26音をアルファベット順に学び、音のかたまり(ワードファミリー)で学んでいくのがアナリティックフォニックスです。

たとえば、
A fat cat sat on the mat.
というようにatの音をかたまりでとらえることで、atはアトと読むという共通ルールを知り、似た綴りの単語は推測して読めるようになっていきます。

複数の英単語の共通点を見つける(感じ取る)必要があるので、英語に触れる機会が多く、ある程度の語彙力がある子ども向けと言えます。

日本では松香フォニックス(mpi)やZoo Phonicsが有名ですね。本屋で売っているフォニックス本の多くがアナリティックフォニックスの学習法にそっています。

≫ mpiってどんな教材?(準備中)

シンセティックフォニックス

s(ス)、a(ァ)、t(ト)と文字の音を学び、学んだ音を組み合わせてsat(スァト)と読んでいくのがシンセティックフォニックスです。

シンセティックフォニックスの場合、アルファベット順ではなく、よく使う音から順に学んでいき、学んだ音を組み合わせて単語を作って読んでいきます。

1文字ずつ学んだ音を組み合わせて発音していくので、英語学習初心者でも、ひらがなを読むような感覚で英単語を読むことが出来るようになっていきます。

日本ではジョリーフォニックスやGENKI Phonicsなどが知られています。

≫ ジョリーフォニックスってどんな教材?

 

フォニックスを学ぶときに気を付けること

フォニックスはあくまでも文字の音と綴りのルールです。フォニックスを学んだから英語が出来るようになるものではありません。

日本語もそうですよね。あいうえお五十音を完璧に学んでも、日本語が出来るようになったとは言えません。単語の意味を知る必要もあるし、文章としてなめらかに読めるようになる必要もあります。書き言葉と話し言葉の違いもあります。

フォニックスは読み書きを学ぶ上での基礎ルール。英語学習法の一部に過ぎません。

フォニックスを学ぶことを目的とせず、たくさん本を読んで、たくさん自分の言葉で表現することを忘れないでくださいね♡

 

フォニックスを学べる英語教室

最近ではフォニックスを指導する教室が本当に多くなりました。フォニックスを扱っていない教室のほうが少ないくらいかもしれません。

フォニックスを採用するか否か、採用した場合、アナリティックとシンセティックどちらを採用するのかは、先生の指導方針によって異なってくると思います。

フォニックスを学びたい!学ばせたい!と思ったら、お子さんの英語力と学習目的を考慮して、ベストな教材・教室を選んでください。

迷ったとき、困ったときは、あなたの街の英語の先生に相談してみてくださいね♡

≫ 松香フォニックス(mpi)でフォニックスを学べる教室一覧はこちら

≫ ジョリーフォニックス(Jolly Phonics)でフォニックスを学べる教室一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…

川口市 HIMAWARI -英語と育児の親子教室-
渡邊いくみ先生
≫ 教室情報はこちら

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